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第 1 回教育プログラム検討部会を開催しました

令和 5 年 6 月 9 日(金)に山梨県版 地域連携プラットフォーム(※)である“地域人材養成推進会議”の傘下に設置された“教育プログラム検討部会(以下、検討部会)”を、山梨県立大学 飯田キャンパス(甲府市)で開催しました。
この検討部会は、地域における課題や、求められる人材・能力などを共有するとともに、地域社会からの意見やニーズ等を大学教育へ反映するために、地域の関係機関の代表者間で協議するものです。なお、当面は山梨県立大学と令和 4 年度から取組んでいる「知(地)のソーシャルキャピタル~学びの山梨モデル~構築事業」(地域活性化人材育成事業~SPARC~)において、令和 6 年度から実施する特別教育プログラムの内容を中心に取扱うこととし、令和 5 年 3 月の第 1 回地域人材養成推進会議で設置が決定されました。


第 1 回となる検討部会では、部会長に山梨県立大学 八代一浩 副学長が指名されたことが報告され、令和 5 年度に検討する内容として、(1)地域に必要とされるより明確な人材像と、(2)令和 6 年度から山梨大学と山梨県立大学で開始する特別教育プログラムの内容を検討することが示されました。


具体的な協議に先立ち、八代部会長から、地域連携プラットフォームの意義に触れつつ、近年の高等教育政策の動向や、国、産業界、山梨県などで議論されているこれから必要とされる人材及び、求められる能力に関する情報提供や、第 1 回地域人材養成推進会議での議論について報告がありました。


続いて、山梨大学 奥田徹 理事・副学長から、山梨大学が SPARC 事業の一環で実施を検討している生命環境学部及び工学部で行う特別教育プログラムの概要、山梨県立大学 杉山歩 教授(地域人材養成センター長)から、リニア開通後の山梨県を見据え、地域を牽引するリーダー及び産業中核人材育成の必要性及び山梨県立大学の各学部で取組む特別教育プログラムの紹介がありました。

後半は、出席者間で両大学の教育プログラムや、これからの地域に必要となる人材などについての意見交換が実施されました。大学での教育などに関しては、「近い将来リニアが開通すると、山梨県も大きく変化するため、このタイミングで新しいプログラムを開始することは、新たな時代を担う人材を養成するうえで、非常に重要である」、「PBL 科目を多く配置するカリキュラム構成は地域のことを深く理解するうえでは非常に有益ではないか」、といった両大学の教育プログラムに期待する声や、「地域社会で活躍する人材を育成するのであれば、まずは地域社会や地域の企業のことについて知る機会をプログラムでは用意する必要があるのではないか」、「地域産業や地域が持つ豊かさ、価値などに気が付くことが重要となるが、そのためにはまずは、現場に赴き、生の声を聞くことが必要である。そして、地域のことを本質的に理解するためにも、外からの視点も必要になるのではないか」、「プログラムの構成を検討する際には、全体構成をしっかりと組み立て、デザイン思考を養うことも重要になるのではないか」といったプログラムの内容等にも関係する貴重な意見が示されました。


また、地域社会において必要となる人材や能力に関しては、「協調性があるなど、いわゆる平均的な人材よりも、今後は新たな価値を生み出すなど、山梨や現場を変えるキープレイヤー的人材が求められるのではないか」、「人工知能の普及など、社会が大きく変化しても人間力やコミュニケーション能力などは、今以上に重要になってくる」、「今後、人間が行う業務も変わってくると思われる。そうなると、課題発見能力や、課題解決に向けて取り組むことができる人材が必要になってくる」といった社会変化への対応に関する意見が多く出されました。加えて、「企業等で求められる人材は、地域ごとに異なる部分が当然ある。都市部を中心とした大企業だけでなく、地域産業等を支えている企業の意見等を聞き、地域のニーズを的確に把握することも必要になるのではないか」との意見もありました。このような検討部会からの意見等も踏まえ、地域や企業等においては、どのような資質と能力を備えた人材が魅力的なのかを把握し、大学卒業者への期待等を把握するため、検討部会の構成機関からの推薦企業などを含めた県内企業経営者のヒアリング調査を実施することになりました。


最後に、次回の検討部会を 9 月までに実施するとともに、企業経営者を対象としたヒアリング調査の結果を踏まえつつ、教育プログラムの内容を更にブラッシュアップしていくことを確認しました。

(※)地域連携プラットフォームとは、中央教育審議会「2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」において、地域における高等教育のグランドデザインの策定をはじめ、地域の高等教育に積極的に関わるという観点から、複数の大学等と地方公共団体、産業界等とが恒常的に対話し、連携を行うための体制として提言されたものです。

部会長に指名された山梨県立大学 八代副学長
教育プログラムを説明する山梨大学 奥田理事・副学長
山梨県立大学 杉山地域人材養成センター長
第1回教育プログラム検討部会の様子①
第1回教育プログラム検討部会の様子②