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工学が社会を変える~第5話「研究を社会的課題の解決につなげるには?」~

研究したことを社会的な課題の解決に繋げるには様々な問題があるとおっしゃいましたが、どんな問題があるのでしょうか。

研究してて問題だと思っても、社会的には問題ではないこともあるよ。
例えばキーボードの配置って、なんか変だと思わない?アルファベット順でもないし。

たしかに、もうそういうものだと思ってました。

タイプライターって知ってる?

聞いたことあります!打って文章を書いたものがそのまま印字されて出てくるもので、昔は手紙とか原稿を書くときに使ってたんでしたっけ?

タイプライター(イメージ図)

そう、実はね、昔ライプライターが主流だった時代に、早く打ちすぎるとタイプライターが絡まる可能性があったから、敢えて不規則にして打ちにくくしていたんだ。それがそのままキーボードにも反映されているっていう説があるんだ。でも使いにくいからといって、もう主流になってるし、今さら配置を変えられないよね。

たとえぼくが社会的な課題の解決に繋がると信じて研究しても、その研究を実際に取り入れて商品化したり、技術を活用したりするのは民間企業や。でもな、企業には企業の抱える課題があるから、必ずしもぼくの考える課題と合うやけやないし、研究を上手く活用してくれるとも限らんね。

本当にそうなんだよね、僕も研究者として、もちろん社会的な課題の解決に貢献したいとは思っているけど、研究者としての専門性が高くなってくると社会的課題の解決のために研究内容を決めるってわけでもなくなってくるんだよね。

そうですよね、研究をするほど専門性は高まっていくような気がします。

だからこそ、工学の社会実践プログラムを受講生する学生には、地域の企業と大学の研究をつなぐ架け橋になってもらいたいと考えているよ。

僕たち研究者より、学生の方が社会的な課題とかは身近に感じやすいと思うんだ。

その通りやな。研究してると、ぼくの研究が実際に社会的な課題の解決に繋がるかどうかの声を聞く機会はほんまに限られてるもんな。

だからこそ、学生が主体となって、一つの研究にとらわれることなく色んな観点から、物事を見て、社会的な課題の解決にアプローチしていってほしいんだ。

それが工学の社会実践プログラムなんですね!
皆さんの話を聞いていて、工学の観点がインフラ、省エネ、医療技術など、色んな社会的な課題を解決できる可能性を秘めていることが分かりました。
工学の社会実践プログラムを受講すれば、カズローさんとヨシローさんの講義も受講できるんですか。

もちろんだよ、僕たち研究者が持つ視点とは別の角度から、主体性を持って色んな問題にアプローチしてほしいよ。

工学の社会実践プログラム、早く受けたいです!

(完)