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工学が社会を変える~第1話「工学から社会課題解決にアプローチ⁉」~

次郎さん、太郎さんとの話の中で、地域活性化にはいろいろなアプローチがあることを知ったじんさんは、工学部で令和6年度から同様に教育プログラムの実施を予定している三郎さんにアポを取り、話を聞きに行きました。

本日はよろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

早速ですが、三郎さんの専門は何でしょうか。

私の専門は交通計画や地域計画だよ。

そうなんですね!工学の中で交通という分野はどんな位置づけなんですか?

交通整備に必要な工学の技術を研究したり教育したりしているよ。

交通といえば、まさに山梨ではリニアの建設が進んでますよね。
そういったことも研究されているんですか?

そうだね、学生にも人気のテーマだね。

1つ聞きたいんですけど山梨でリニアを作る理由って何だと思いますか?
観光客を増やすことですか?

もちろん、観光という面は大きいと思うよ。観光客が多く来れば、みんな食事をしたり、お土産を買ったりするから、それが山梨の経済の活性化につながると期待できるよね。
さらに、外から来る人に期待するばかりでなくて、地元地域のビジネスや農業の振興にも大きな効果があると私は考えているんだ。

主要都市と結ばれてビジネスの人や物の流れが増えるってことかな。
逆に他の都市へ人や物が出て行ってしまうことも起こりそうですけど・・・。

そうならないように、山梨の魅力をさらに向上させて、その魅力を対外的にアピールすることが大事だと思うよ。リニアができれば、東京までは25分、名古屋にも40分で行けるようになるんだ。そうした交通利便性の向上に加えて、自然豊かな山梨は住むにも仕事場としても大きな魅力があるから、それをうまくアピールすれば、山梨に研究所や工場が増えて地域経済はどんどん発展していくかもね。

魅力的な企業が増えれば、人も集まってきそうですね!
では、農業の振興ってどういうことですか?

物流と少し似ているところはあるけど、山梨では野菜や果物の栽培がとても有名だよね。地方は都市にとって重要な食料供給基地だ、という意見もあるんだよ。
リニアの開通を機に、そのような農業による地域活性化が行えないかと考えているんだよ。
さっき、リニアができれば観光客が多く来るようになるっていう話をしたよね。そして観光の愉しみの1つはなんじゃないかな。

確かに、観光に食は欠かせないですね。
私もよく、何を食べるかを考えて旅行先を選びます。

その食を提供する際、山梨の魅力ある野菜や果物が食材として使用されたら、リニアの開通が農業振興にもつながるのではないかと考えているんだよ。
こうした観光、ビジネス、農業など様々な側面から、リニア開通による経済効果を総合的に試算する研究もしているんだ。

それに、これはたまたまなんだけど、リニアの駅が建設される長野県と岐阜県にある信州大学と岐阜大学もSPARC事業に採択されているんだよね。だから、経済だけじゃなくて、社会や文化も含める形で、地域の新たな発展モデルを3大学共同で考えてみるのも面白いかも。

へえ、工学部と言えば、正直モノを作るというイメージが強かったですが、それだけじゃないんですね。作った後の波及効果や社会的な課題解決なども学べるんですね。

そうだね、私の担当する教育プログラムでは、身につけた工学技術でどう社会的な課題を解決できるかということを学んでほしいと思っているよ。

工学が社会を変える教育プログラム、もっと知りたくなりました!

次回「工学の社会実践で学ぶ教育プログラムとは?」