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第2回教育プログラム検討部会が開催されました

 令和5年11月8日(水)に山梨県版 地域連携プラットフォーム(※)である“地域人材養成推進会議”の傘下に設置された“教育プログラム検討部会(以下、検討部会)”の第2回が、山梨県立大学 飯田キャンパス(甲府市)で開催されました。

 第2回となる今回は、前回までに議論された地域が求める人材像と、大学が育成する人材に対する産業界のニーズを考慮し、現行の教育プログラムをさらに改善するための検討がなされました。

 具体的な協議に先立ち、これまでの地域人材養成推進会議および検討部会での議論の振り返りと、第1回の検討部会で提起された、県内企業を対象とした経営者意識調査の中間報告が行われました。また、山梨県立大学 杉山歩 教授(地域人材養成センター長)から山梨大学と山梨県立大学で展開されている協働型課題解決学修について説明があり、実際に地域の課題解決に取り組んでいる具体的な事例も紹介されました。

 次に、杉山 教授から、山梨県立大学の各学部で取り組む教育プログラムの概要や、SPARCで育成すべき人物像について、県内企業への就職状況や高校生ニーズ調査の結果も踏まえて説明が行われました。出席者間で教育プログラムや調査結果に関する意見交換が実施され、「企業のニーズもかなり反映された素晴らしいカリキュラムだと感じた」「DXが進んでいっても、人が人にサービスを提供するという本質は変わらないので、その両面を学ぶことができる科目の設定になっていると思う」「経営者意識調査や高校生ニーズ調査の結果と教育プログラムとの関係をもう少し分かり やすく整理する必要があるのではないか」といったプログラム内容に関する意見のほか、「将来のビジョンを描くために、就職前から県内企業を知り、小・中学生や高校生の時からPENTASなどの取り組みを活用し連携する必要があるのではないか」といった、県内の人材確保に向けた貴重な意見も示されました。

 続いて、山梨大学 門野圭司 准教授(生命環境学部)と武藤慎一 教授(工学部)から、山梨大学がSPARC事業の一環として検討している生命環境学部と工学部で展開する特別教育プログラムの概要について説明がありました。山梨大学 奥田徹 理事から、プログラム構築にあたって大学に期待されることは何かとの問いかけに対して、各委員から「自分で考えて動けるような、自由に思考し続ける人材が求められている。指示待ちではなく判断できる人材が理想であり、基礎的な人間力が重要だと常々感じている」「学生に求めることは、実際に地域課題を解決する実践力。そのために、敷居を低くして企業の方と学生が交わって一緒に考えることが必要であり、先程の説明を実践すれば自ずと見えてくると感じた」「実際の中小企業では大学卒業の方の就職は難しいと思われるが、大学に求めるのはリーダーになれる人材。学び続ける力は、(プログラムで養成される)自由に思考し続ける力とかみ合い、PBLなどを通じて自身の学びで世の中が変わることを導き出し、学び続ける力が醸成されて就職後のキャリアにも繋がっていくと良いと感じた」「企業では学生がいくらでもほしいが、企業の魅力が発信できていない。県内の大手企業で取れなければ、中小企業ではまず取れないので、その結果、県外に就職することになる」「人間力を身に付けることの難しさは実感している」といった学生に求める資質や能力、地域企業の課題や連携に関して貴重な意見が出されました。

 最後に、検討部会は今回で終了すること、プログラムで育成される人材像に関する追加の説明が必要な場合は個別に説明することし、令和6年度の実施に向けてプログラムをさらに改善することが確認されました。

(※)地域連携プラットフォームとは、中央教育審議会「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」において、地域における高等教育のグランドデザインの策定をはじめ、地域の高等教育に積極的に関わるという観点から、複数の大学等と地方公共団体、産業界等とが恒常的に対話し、連携を行うための体制として提言されたものです。

教育プログラムを説明する山梨県立大学 杉山地域人材養成センター長

山梨大学 門野准教授

山梨大学 武藤教授

第2回教育プログラム検討部会の様子①

第2回教育プログラム検討部会の様子②